日本酒は若い女性にも人気があり、海外においても日本酒ブームとなっています。日本酒には純米酒とか吟醸酒、大吟醸などいろいろな種類がありますよね。
しかし、それぞれの種類の違いについて理解している人は少ないようです。そこで日本酒の種類にはどのようなものがあるのか、その違いについてわかりやすく解説してみましょう。
製法上の種類
まずは日本酒の種類にはどのようなものがあるのでしょうか。以下に並べてみました。
- 普通酒
- 本醸造
- 特別本醸造
- 吟醸
- 大吟醸
- 純米酒
- 特別純米
- 純米吟醸
- 純米大吟醸
ざっとみてもこれだけたくさんの種類があるのには驚きです。
これを原材料でみると大きく2つに分けられます。米、米麹、醸造アルコールで作られたものは前半の5種類です。そして米、米麹で造られたものは後半の4種類で”純米”という言葉が入っているお酒のことなんです。
純米酒(特別純米、純米吟醸、純米大吟醸含む)とは、醸造アルコールが入っていないお米だけからできるお酒ともいえますね。
醸造アルコールとは、サトウキビやトウモロコシ、米などを発酵させ、蒸留精製したアルコール。戦時中、貴重な軍需物資だった清酒の増量を目的に使われたが、現在はもろみの香りが酒かすに移るのを防ぎ、酒質を高めるために加える。大吟醸酒や本醸造酒など特定名称酒では、原料に使う白米の重さの10%以下に使用が制限されている。
引用元:コトバンク
また、精米歩合の数値によってそれぞれ名称が決まります。精米歩合が50%以下のものは大吟醸、純米大吟醸と呼ばれます。50%以上60%以下のものは吟醸と純米吟醸です。
またこれと同じ%でも特別な製造方法などで特別本醸造、特別純米となる場合があります。70%以下では本醸造、規制がないものには普通酒と純米酒があります。
醸造アルコールが入っているお酒のうち醸造アルコールが白米重量の10%以上のものや精米歩合が70%以上のものは普通酒と呼ばれます。醸造アルコールが白米重量の10%以下のものや純米系のお酒は特定名称酒と言って普通酒と区別しています。
ここまで言葉で説明してきましたが、わかりにくいので表にしてみると下図ようになります。
特別本醸造と特別純米
この中で純米吟醸と特別純米、吟醸と特別本醸造がありますが、区分けが分かりにくいです。原材料と精米歩合が同じ60%以下であればどちらの名前を付けてもかまわないのですが、酒蔵の考え方(コンセプト)によって決められているようです。
精米歩合が60%以上であっても、”特別な製造方法によるもの“と認められれば、特別純米や特別本醸造として販売することができます。例えば発酵日数を大吟醸なみに長くとる場合や原材料の米の種類が山田錦を100%使う場合などは特別な製造方法と認められます。
特別純米のイメージは純米よりスッキリとした味わいがあるもので、華やかで甘い香りの純米吟醸まではいかないもの、特別本醸造のイメージは本醸造よりはスッキリとした味わいがあり、吟醸まではいかないものというところでしょうか。
まとめ
醸造アルコールが怪しいものと思い込んで”純米”のお酒だけしか飲まない人がいますが、”純米”系のお酒は日本酒全体の2割ほどしか占めていません。実は醸造アルコールを使ったお酒の方が種類も多く、おいしいお酒が多いのも事実です。
また、普通酒の中には本醸造に近く美味しいものもあるようです。もちろん私のように普通酒が好きな人も多いことは、スーパーに並んでいる日本酒を見ればあきらかですね。
これらの種類の違いを頭に入れて日本酒を選んだり飲んだりすれば、楽しみが広がるのではないでしょうか。1人でも多くの人に日本酒を楽しく飲んでいただければ幸いです。
日本酒には製造過程により、原酒、無濾過、生酒、新酒、冷やおろしなどの呼び方がありますがまたの機会に説明しますね。
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