お墓を建てることは人生において一回あるかないかというものではないでしょうか。
長男だと先祖からのお墓があり、そこに入る場合が多いと思いますが、この場合はお墓を買う必要はありません。しかし、お墓の場所が遠くてそこに入ることが困難な場合、現在住んでいる近くにお墓を買ってからお墓を引っ越しするケースも増えてきています。
私は今回お墓を購入することになりましたので、知らなかったことや注意した方がよいところなどをお伝えしたいと思います。
義母が亡くなったのですが、決まっているお墓がなく、跡取の息子もいないので、永代供養でも良いのではと話していました。そこで永代供養のお墓を見に行ったのですが、骨は合同で埋葬することになったり、場所が遠かったり、個別の石碑があるものは割高だったりと納得いくものが見つかりませんでした。
結局は民間霊園に個別のお墓を建てることにしたのですが、家から近い、宗教の縛りがない、値段が手ごろ、霊園の雰囲気が良い、営業担当マンが信頼できるなどが決めてとなりました。
目次
お墓を決める時のポイント
形態を決める
お墓と一言に言ってもいろいろな形態があります。家族単位で墓石を建てるいわゆる一般墓の他、共同のお墓となる永代供養墓、室内型の納骨堂などがあります。またお墓は不要とする自然葬(散骨)も最近では増えているようです。
一般墓
家族や親せきなど家の単位で作られる独立したお墓のことで、代々子孫へ引き継いでいくものです。昔からいわゆるお墓といえばこの一般墓のことであり、埋葬する人数に限りはなく、年間管理費を払い続ければ永続的に残すことができます。しかしお墓を継いでくれる人が必要となり、管理費が払われないと撤去されることになります。
一般墓には大きく分けて以下の3つの運営形態に分けられます。
寺院墓地
• 宗教法人が経営、お寺さんが管理・運営
• お寺の元で手厚く祀ってもらえる
• 特定の宗教、宗派に限られる
• 檀下となり勤めをはたす必要がある
• 石材店か指定されている
公共霊園
• 地方自治体が運営している霊園
• 宗教・宗派を問わない
• 永代使用料、管理費が安い
• 石材店の指定がない
• 墓石の大きさ、形に制限がある
• 住居地、遺骨が手元にあるなどの条件がある
民間霊園
• 財団法人、社団法人または宗教法人の経営
• 民間企業や各種協会が運営
• 宗教・宗派を問わない
• 法要施設が併設している
• お墓や墓石の大きさが選べる
• 施設の手入れが行き届いている
• 石材店が限られている
永代供養墓
お寺や霊園が責任をもって供養してくれるお墓ですが、一般的には専用の区画はなく他の遺骨とともに一つの永代供養墓へ納められます。骨壺を一定期間は個別スペースへ安置したり、専用スペースに小さな石碑や石塔を建てたりするものもあります。基本的には年間維持費はかかりません。
納骨堂
個別に遺骨を安置する室内のお墓です。遺骨の収蔵庫への立ち入りができず共同参拝所が設けられているもの、ロッカー式、仏壇式、墓石型など遺骨の前に立ち入りできるものなどいろいろなタイプがあります。都内では自動搬送式または機械式といって参拝ブースまで遺骨が自動的に運ばれてくる納骨堂も増えてきています。年間維持費はかからないものから機械式など割高なものなどタイプにより違います。
自然葬
自然葬とは海や山など自然に骨を返す方法で散骨とも言われます。遺骨を自然に融合するという広義の解釈では、土葬、風葬、鳥葬、樹木葬なども含まれます。
埋葬の仕方としては以下のような方法に分けられます。
■ 代々続くお墓に納骨
■ 新たにお墓を建立し納骨
■ 納骨堂へ納骨
■ 永代供養墓へ納骨
■ 散骨(自然葬)
■ 自宅供養
場所を選ぶ
場所を選ぶとき考慮する条件はについて
お参りしやすい、アクセスに便利な場所を選ぶことです。
一番良いのは家から近く、気軽に行ける距離にあることですが、 兄弟がいる場合や子供が管理することを考慮しながら決めることになります。
その他のチェックポイント
- 向き 1番人気は日が昇る東向きです。日の当たる南向きも次に人気です。
- 立地条件 水はけ、風通し、平地、日当たりなどを現地で確認するのがよいでしょう。
- 規則 宗派、墓石の大きさ・形態、ペットの不可など
- 管理状況 設備、売店、トイレ、休憩所、法事をする部屋など
- アクセス方法や駐車場など
墓石の形を決める
一般墓の場合は暮石の形を決めます。 大きく分けると以下の3種類の形があります。
- 和型:昔からある伝統的な縦長の和型墓石
- 洋型:和型に比べて低く横型の洋型墓石
- デザイン型:和型、洋型にこだわらず自由な形にデザインされた墓石
最近は洋型が増えてきましたが、墓石に掘る文字は家名にこだわらず文字やイラストなど自由にデザインするものが増えています。
最近増えている洋式の墓石はこんな感じです。
昔からある和式の縦長の墓跡もありますが、最近の墓地では圧倒的に洋風の石が多いように感じます。もちろん昔ながらの石もありますが、まわりがみんな洋風なのにポツリと日本風にするのもためらうのではないでしょうか。
私が購入した霊園では9割が洋風、1割が和風といった感じです。
石材店を選ぶ
その霊園に出入りしている石材店は複数ありますが、最初に対応した石材店が担当となるようです。もしここで、仮契約まですることになると担当の石材店はキャンセルしない限り決定となります。
石材店や担当者を変えたい場合は、最初の石材店と仮契約まではしないようにするか、仮契約してしまった場合はキャンセルしてからでないと他の石材店と交渉することができないようです。
また良さそうな石材店が見つかっても扱っている霊園は決まっているので、自分が気に入っている霊園に出入りしていないこともあります。
霊園の場所を決めた人はそこに出入りしている石材店から選ぶしかありません。霊園のホームページなどで扱っている石材店を把握しておくことが必要になりますね。
現地に直接行くとそこにいた石材店が案内してくれることになり、その後なかなか変えることが困難になってしまうので、お気に入りの石材店がある場合は事前にアポイントを取っておく必要があります。
良さそうな石材店の営業マンが見つかれば自然とそこに決めることになりますが、少し合わないと思う営業マンの場合は、思い切って他の石材店に聞いてみるのも良いと思います。
最初はどの石材店がよいのか見分けがつかないと思いますが、ホームページの情報や営業マンの対応などで決めるしかありません。購入はまだしないけど見せてほしいと言って話をしたり、相談したりしながら対応の良い会社を選んでいきましょう。
価格について
・永代使用料
お墓を代々使用する権利を得るために払う料金のことで土地を所有するのではありません。
・管理費
年間の管理料は永代使用の面積に応じて変わります。
・墓石代
石の量が多いほど値段は高くなります。
石の種類により値段が変わります。
一般的に白っぽい石より黒っぽい石の方が高くなります。
・私が決めた民間霊園の場合
良かった点
自宅から近く気軽に行ける
デザインを家族みんなで決めた
両家墓とすることで両家の信頼度が増した
納期について
私の場合は永代供養墓から一般の霊園をいくつか見てまわった期間は約2ヶ月、気に入った霊園の区画の一つを押さえてからお墓を建てるまでの期間はおよそ3ヶ月でした。
仮押え
墓所使用申込
墓石の契約
墓石の文字入れ、デザインなど彫刻内容の決定
墓石の彫刻内容の最終確認
墓石の製作
施工、納品
まとめ
お墓を買う際のポイントをまとめてみました。
形式を決める
一般墓
永代供養墓
納骨堂
散骨など
購入先を決める
民間霊園
公共霊園
寺院墓地
石材店を決める
墓石を決める
一言でお墓を決めるといっても多くの選択肢がありますので、それぞれの実情に合わせて選ぶことになります。昔ながらのお墓はこれからも続きますが、時代とともに考え方・形式など新しいスタイルも出てきていますので、家族や親せきの人とよく話し合い考えることも大切だと思います。
お墓を建てることになったら建ててよかったと思えるようなお墓になるよう、余裕を持って計画しましょう。
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