富士山頂までを朝から日帰りで登ることはできるのでしょうか。普通の人は五合目から山頂まで6時間前後、山頂から5合目まで3時間前後かかるので朝一番で登り始めても五合目に戻ってくると夕方以降になってしまいます。しかし、健脚の人やランナーなら早歩きで登ることができるので日帰りも十分可能なんです。
私が今までに何回か日帰りで富士山頂に上った経験から、吉田ルートの交通手段、タイムスケジュールなどをお伝えします。
目次
富士スバルライン五合目までの交通手段
吉田ルートの出発地点となる富士スバルライン5合目までの交通手段は、車、バス、電車がありますよね。どれも一長一短がありますので皆さんの条件を考慮して決めればよいでしょう。
車
河口湖ICから有料道路の富士スバルラインを上り5合目ドライブインの駐車場まで行きます。
但し、駐車場がいっぱいになると、道路わきの駐車スペースに停めることになり、5合目ドライブインまでかなりの距離を徒歩または連絡バスで移動しなければなりません。
・デメリット :混雑時は駐車場が遠くなる
マイカー規制時(7月10日~9月10日)は乗用車は富士スバルラインを通れません。手前にある富士北麓駐車場に停めて五合目まではシャトルバスで移動となります。このバスは朝早くから運行していますので早朝から登り始めることができます。富士北麓公園の駐車場とは違うのですが、間違いやすいので今年から富士山パーキングという愛称になりました。
直通バス
新宿高速バスターミナル(バスタ新宿)から富士山五合目行きの高速バス乗ると約2時間半で行くことができます。夏場の土日の早朝は満席になるので早めの予約が必要です。また連休など高速道路の渋滞にまき込まれると到着時間が遅れますので余裕を持った計画を立てましょう。
行き(始発):新宿6:45発→富士山五合目9:20着 以降1時間に1~2本
帰り(最終):富士山五合目17:00発→新宿19:35着まで 1時間に約1本
・デメリット :予約が必要、時間が決まっている、渋滞に巻き込まれる
電車
JR中央本線の大月駅から乗り換えて富士急行線の富士山駅または河口湖駅からは路線バスで五合目まで行きます。
・デメリット :富士山駅または河口湖駅から五合目までは路線バスの利用となる
タイムスケジュール
私が数年前に登った時の時間を振り返ってみました。かなりハイペースで登った記憶があります。
8:34 六号目 富士山安全指導センター
9:02 七号目 花小屋
9:42 八号目 太子館
10:20 本八号目 本八号目トモエ館他
10:45 九号目
11:05 吉田・須走口山頂
11:30 剣ヶ峰
11:50 吉田・須走口山頂より下山開始
13:10 スバルライン五号目到着
この時はフルマラソンで3時間30分くらいの走力でした。個人差はありますが参考にしてみてください。
例えばフルマラソン4時間程度の人はこの時間に3割加えるとか。
準備
荷物を預ける
クルマの場合はよいのですが、バスの場合は着替えなどの荷物を店のロッカーに預けることになります。お店の空いている時に使用できるロッカーが多いので時間には注意が必要です。
服装・持ち物
日帰り登山の場合は速く登るため、軽装がよいでしょう。私の場合は、Tシャツに短パン、ウインドブレーカーを腰に巻いていきます。小さなリュックまたはポーチにお金と軽食、ドリンクを入れていきます。
荷物を預けてトイレも済ませたらいよいよ登山開始です。
5合目から6合目まで
6合目の安全指導センターまでは比較的勾配が緩やかなので走ることができます。安全指導センター付近は森林限界を超えて見晴らしの良い場所となっています。吉田口登山道からの合流地点でもあります。6合目に近づくと歩きになりますが、意識は走っているようにして早歩きで進んでいきます。一般の登山客のペースの倍くらいのペースでいければ3時間前後で山頂に到着することができます。
山小屋がたくさんありますので小屋の名前と場所を覚えておけば、どれくらいの位置にいるのかわかります。
6合目から本八合目まで
6合目を過ぎると砂利の階段が続きます。足が砂利に埋もれるとなかなか前に進まなくなるので、足裏に均等に体重を乗せて一歩一歩確実に歩くことに気を使います。砂礫の道をしばらく進むと岩場が出てきますので、今度はよじ登るように手も使いながら進んでいきます。
山小屋が数多くありますが、八合目最初の大子館から本八合目のトモエ館までは30分以上かかります。
本八合目から山頂まで
本八合目から山頂まではもう一息です。岩場を過ぎると砂礫の道が続きますが9合目の鳥居をくぐると山頂ゴールが間近に見えてきます。上り坂が急なのでゆっくり登るしかありませんが焦らず落ち着いて進んでいきましょう。
本八合目からは下山道に行けますが、その手前から戻るには登山道を下るしかありません。
お鉢巡り
富士山の最高峰は剣ヶ峰(3776m)という場所なので、吉田・須走口山頂からは火口の反対側になります。徒歩で約50分かかりますが、ゆっくり走っても20分くらいでたどり着けます。剣ヶ峰の手前以外はほとんど平らなので気持ち良いトレイルランができます。
山頂から下山
吉田・須走口山頂からは下山道を下っていきます。砂礫の道がジグザグに永遠と続いています。ザクザクと足が砂礫に埋もれながら歩くので転んでしまうことも多々あります。ランニングシューズなど軽めの靴では足首に負担がかかりますが、自分のペースでゆっくり確実に進んでいくことが大切です。
途中で吉田口と須走口の分岐点があるので間違わないように注意してください。
低体温症に注意
重装備の人と比べて軽装の人は体温を奪われやすいので、気温が低く風が強いと体温を奪われて低体温症となります。私は以前、山頂付近で強風に合い、身体が震えて危ない状況になったことがあります。重装備の人とは防寒対策が違うので、少しでも危ないと思ったら引き返すことが重要です。低体温症の怖さを認識していないと命を落とすこともあります。
まとめ
これまで富士登山を日帰りするための情報をまとめてきました。
- 交通手段を決める
- タイムスケジュールを立てる
- 荷物を預ける
- 服装・持ち物について
- 五合目から山頂、お鉢めぐり、下山の様子
- 注意点
人間は自然の力にかなわないということを認識していつでもやめる、引き返す勇気をもってください。そしてこれらの情報を参考に楽しく富士山頂を目指していただければ幸いです。
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