コレステロールとはどのようなものか詳しく理解している人は少ないのではないでしょうか。私は昔からコレステロールの値が高く薬を飲んでいるのですが、コレステロールとはどのようなものなのかよくわかっていませんでした。
血液検査でコレステロールの数値が高すぎると身体にはよくないということはわかるのですが、自覚症状はまったくありません。それでそのまま放置してしまう人も多いのではないでしょうか。
コレステロールとは何か、適正な数値と役割、異常値の場合の問題点についてお伝えします。
目次
コレステロールの正体
コレステロールは細胞膜を生成するのに必要な要素であり、健康な身体を形成するために必要な「脂質」のひとつです。つまり、油だったのです。
コレステロールのイメージがつかみにくいのは形がわからないからではないでしょうか。どのようなものがコレステロールなのかという実物をみたことがないことが想像できない大きな原因だと思います。
コレステロールをイメージしたイラストを見てください。血管にこびりついたコレステロールを表現したものですが、これでなんとなくコレステロールの様子がわかるでしょうか。脂質の一つなのでドロドロとした形のないものだったのですね。
コレステロールの適正値
今までは、
総コレステロール |
240mg/dl以上 |
LDLコレステロール (悪玉コレステロール) |
140mg/dl以上 |
HDLコレステロール (善玉コレステロール) |
40mg/dl未満 |
が治療域とされてきました。
今では動脈硬化が進んでいるかどうかの目安として、LDLコレステロールとHDLコレステロールの比率「LH比」が注目されています。LH比はLDLコレステロール値をHDLコレステロール値で割った数値で2・0以下が基準値で、それ以上は動脈硬化を起こしやすくなり、2.5以上になると、心筋梗塞などのリスクが急増します。
LH比が注目を集めるようになってきたのは、LDLコレステロールが140未満の人でも心筋梗塞になるケースがあったり、HDLコレステロールが高い人でもまれに動脈硬化を起こすことがあったからです。つまり、これまで推奨されてきた基準値内でも動脈硬化になる可能性があり、新たな診断基準が必要になってきたということですね。
コレステロールの役割
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)とHDLコレステロール(善玉コレステロール)という2つの種類があるのは知っている人も多いでしょう。
悪玉コレステロール
悪玉コレステロール(LDLコレステロール)は、肝臓から体の各所に必要なコレステロールを血流に乗せて運んでいきます。この量が増えてしまうと血管内壁にへばりついてしまい、血管がつまってきて動脈硬化の原因となってしまいます。
動脈硬化は、心筋梗塞、狭心症や脳梗塞など血管性疾患のリスクを高めるので、LDLコレステロールが「悪玉」と言われる所以です。ただし、身体を作る大事な役割を果たしていることを忘れてはなりません。
善玉コレステロール
次に善玉コレステロール(HDLコレステロール)は、悪玉コレステロールとは逆に余ったコレステロールを肝臓に運び戻す役割をしています。体に悪影響を与える余分なコレステロールを細胞壁から運び出しているので、「善玉」と言われる所以です。
コレステロールは油なのでそのままでは血液に混ざりません。タンパク質やリン脂質で覆うことで、血液中に入って必要な細胞まで運べるようにしたものがHDLでありLDLなのです。
コレステロール異常値の問題点
コレステロールの基準値を超えているといずれ動脈硬化を進行させてしまう恐れがあるので注意が必要です。また、下のような病気になるリスクが高まります。
• 脳梗塞
• 心筋梗塞
• 高血圧
• 糖尿病
• 狭心症
• 脳出血
まとめ
動脈硬化が進んでいくと、高血圧、糖尿病のリスクが高くなり、脳梗塞や心筋梗塞など血管系の病気が起きやすくなってきます。
これは血管が詰まってくると身体が正常な活動に戻そうと血圧を上げてしまったり、正常に糖分を分解することが出来なくなったり、血管に余分なコレステロールが付着したりすることが原因となります。
そして正常な血流を確保できないことから心臓に負担がかかり、脳に十分な血液が回らなくなり狭心症や心筋梗塞、脳梗塞のリスクも大きくなってしまうのです。
コレステロールの異常値はほっておいてはいけないのです。正常値に戻すことが、健康を保つためには最も必要でなのです。
コレステロール値は正常値を保つようにしよう!
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