心配事が多くて気が滅入ったことはありませんか。そんな状態が長く続くとうつ病になることもあります。そんな時には考え方を変えると気分が良くなる場合があるのはご存知ですか?認知療法と言って思考を変えるだけでうつ状態を改善できる方法があったのです。
私も家のローンや仕事、子供のことなどで少しうつ気味になっていた時がありました。そんな時にこの認知療法を知り、自分で考え方を切り替えていたらいつの間にか気分も良くなったのです。そんな認知療法とはどういうものなのかをご紹介しますね。
目次
認知療法とは
うつ病の治療方法として知られている認知療法は、アメリカのペンシルベニア大学精神科のアーロン・T・ベック教授が考え出した精神療法です。したがって日本語に訳すと似たような表現もあったり、微妙にニュアンスが違ってくることがありますが、そこは想像力を生かして理解するようにしてくださいね。
認知療法とは
出来事に対して自動的にもつ誤った考えや認知の歪ひずみを修正することによって、感情や行動の変容を図る心理療法。
引用元:コトバンク
うつ病の患者さんは、物事を否定的に捉えて悪い方悪い方へと考えてしまう傾向があります。このように理由もなく勝手に歪んだ思考が浮かんでくるようになり、「心の癖」になってしまうのです。認知療法では、それは思考の歪みにすぎないととらえ、気持ちが下向きになっているときに思考の修正を行いながら、気持ちを上向きに変えていくことができるのです。
10の思考パターン
認知のゆがみは次にあげる10のパターンに分けられます。
- 全か無か思考
- 一般化のしすぎ
- 心のフィルター
- マイナス化思考
- 結論の飛躍(心の読みすぎ 先読みの誤り)
- 誇大視と過小評価
- 感情的決め付け
- すべき思考
- レッテル貼り
- 自己関連付け
認知療法のやり方:思考の歪みを修正する方法
自分の考え方に該当するパターンの思考の歪みに対して矢印(⇓)で表した歪んでいない正しい考え方を自分自身に何度も言い聞かせて思考を改善することです。自分の思考パターンが変わり、体の具合が良くなってきますよ。
(1) 全か無か思考
白か黒かしかないと考え、中間を考えない。
「完全に○○である」ということはあまりないことなのに、結果が少しでも満点に満たないとダメだと思ってしまう。ストレスが長く続くと、しらずしらずのうちにこのような2つに1つというような考え方になり、気分が暗くなったりしてしまいます。
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「白か黒か」という2つに1つの見方をせずに、中間の場合や完全でなくても成り立っていることを理解し、広くものを見るようにする。
(2) 一般化のしすぎ
ある事が起きるといつもこうだとか、決まってこうなるなど一般化してしまう。
このような考え方をすると、いやなことが繰り返し起こっているように感じてしまうので、憂うつになってしまいます。
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一度や二度の結果が続くわけでもなく、そうならないときも多いということを認識する。
(3) 心のフィルター
良いこともあるのに悪いことだけしか思い出せない。
このような思考パターンに陥ると、なにごとも良くない方向の考えになるので、気分は、当然暗くなります。
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悪いことの他に目を向けると良いこともたくさんあるんだということを認識する。
(4) マイナス化思考
普通のことや良いことでも悪く考えてしまう。
「心のフィルター」は、ある出来事の良いところを見ない思考ですが、「マイナス化思考」はよかった出来事や成功したことの価値を引き下げてしまい、ますます悪い思考のパターンになってしまいます。
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少しでも良いことは素直に喜び、自分を褒め、勇気や自信を持つことです。
(5) 結論の飛躍
確かな理由もなく自分勝手に極端な結論を出してしまう。以下の2つに分けられます。
・心の読みすぎ(ある人の断片的な言動から自分を悪く思っていると勘違いしてしまうこと)
・先読みの誤り(今の様子を見て確実に悪くなると決めつけること)
うつ病になるとこのような考えが多くなってきます。
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ひとつの事象からでは、正しい理由は導きにくいことを知り、全体の様子を見るようにすると本当の理由は違うところにあることを知る。
(6) 誇大視と過小評価
短所を大げさに、長所をあまり評価しない。
小さなミスをしただけでこれで台無しだと考えてしまうように、失敗を大げさに考えること。
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小さな短所にこだわっても物事はほとんど変わらず気にしないくらいがよく、長所はうまくいったことを素直にほめるようにする。
(7) 感情的決めつけ
自分の感情で、こうなると決めつけてしまう。
感情的決めつけは、ネガティブな思考、感情が前面に出てきていて、ポジティブな思考、感情が後退しているような場面で生じやすい「認知の歪み」のパターンであることを考えれば、「心のフィルター」と同じような考えであることがわかります。
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感情は自分の考えを反映したものなので、感情と真実はつながらないことを理解する。
(8) すべき思考
何かするときに、~すべき、~すべきでないと考えてしまう。
できなかった場合は、あたかも自分が罰せられたように感じて、自分で自分が嫌いになったり、暗い気分になったりしやすい。「すべき思考」を他人に向けると、他人の価値基準とはたいていの場合は合わないので、イライラや怒りを感じることになります。
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すべき思考は感情的な混乱を巻き起こす原因となることを理解し、したほうが良いくらいに思うようにする。
(9) レッテル貼り
自分はだめな人間だと思ってしまう。
レッテル貼りは、「一般化のしすぎ」が行きすぎたケースで、感情に巻き込まれて冷静な判断ができなくなります。
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自分はダメな人間だと思うのはマイナスイメージを創り上げてしまっていることと理解し、そんなことはないくらいに考える。
(10) 自己関連付け
関係ないことでも、自分のせいと思ってしまう。
「自己関連づけ」の思考パターンを繰り返すと、罪の意識を感じてしまい、自己評価の低下につながります。
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よくないことがおこった場合、それを自分の責任と考えるのではなく、どうすれば問題を解決できるのかを考える。他の理由のことであることが多いことを理解する。
まとめ
認知療法は、うつになりそうな場合や、うつ病の早い段階を自分でも克服できる非常に有効な方法です。この10の思考のパターンを知っておくことは、思考の偏り、認知の歪みを気づくための手がかりになりますよね。普段から気持ちよく生活する手段としてもぜひ覚えておきたいものです。
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