マラソンの走力アップのために腸腰筋(ちょうようきん)を鍛えると体幹がしっかりして効果があがることがわかっています。NHKの番組『ラン×スマ』でも取り上げられた腸腰筋とはどこにある筋肉なのか、その鍛え方など自宅でできる方法についてお伝えしましょう。この筋肉を鍛えることで足を持ち上げる力が強くなり、走りが楽になるような気がします。日頃行う筋トレに加えたいメニューの一つです。
目次
腸腰筋とは
腸腰筋とは太ももを持ち上げる時に使う筋肉で、背骨と太ももの骨をつないでいる大腰筋、小腰筋と骨盤の内側にある腸骨筋の2つの筋肉を合わせたものをいいます。
腸腰筋は、上半身と下半身をつないでいる筋肉で股関節を動かす筋肉のひとつなんです。
図のように腸腰筋は腰の奥の方にあるため意識しづらいと思います。お腹の力を抜いてヘソと腰骨の真ん中くらいを手で押すと縦に延びているのですがわかりづらいですよね。実は私もさわってみるのですがよくわかりません。
しかし、図で見るとよくわかると思いますので、これを頭に入れてトレーニングしましょう。足をスムーズに上げられればマラソンの走りも変わってくるはずです。腹筋同様、腸腰筋も鍛えてランニングフォームを良くしていきましょう。
腸腰筋のトレーニング効果
骨盤が後傾していると太ももだけを前に出すため腰が使えていません。腸腰筋が使えると骨盤が前傾するので足を振り上げやすくなり、前に進む推進力を得やすくなります。
腰が使えるようになるとスピードアップと疲れにくい走りができるようになりますよ。
腸腰筋のマッサージ
まずは腸腰筋をマッサージすることが大切です。左右均等に使われていないと片方の筋肉が固くなって可動域が狭くなってしまいます。
1,イスやソファーに座り足の付け根を曲げて力を抜きます
2,腰骨の内側に指を深く入れます
3,指に力を入れて外に開くようにマッサージします
太ももの付け根もいっしょにほぐすようにしてみましょう。
腸腰筋の鍛え方
腸腰筋を鍛えるのに最も有効なトレーニングのひとつに『サイドニーリフト』があります。 以下の順番で行います。
1, 手を頭の後ろに組んで両足は腰幅に広げてまっすぐ立つ
2. 息を吐きながら片足を横に上げて膝と肘をタッチする (つかない場合は近づけるだけでOK!)
3. これを10回繰り返し 4. 反対側の足でも10回タッチ これを1セットとして5セット行います。
【ポイント!】
●反対側の膝は曲げないようにする
●足は小指側に体重をかけないようにする (体が腰から曲がって腸腰筋に負荷がかからなくなってしまいます。)
●背筋を伸ばして足と下半身は動かさず、上半身を曲げる
親指とかかとに重心を置いて体の軸がぶれないようにしながら腸腰筋を意識して行いましょう。
腸腰筋のストレッチ
トレーニングの後は腸腰筋をストレッチして伸ばしておきましょう。
1,足を前後に広げて前の膝を直角に曲げて両手は床に置いて体を支えます
2,腰を前に動かし後ろの太ももの前を伸ばします
3,腰腸筋を意識して20秒ほど伸ばします
4,左右入れ替えて2~3セット繰り返します
5,足を前後に大きく広げて立ちます
6,後ろの足のつま先を内側に向けて足首を曲げます
7,曲げた方の腕を斜め上に伸ばして、お腹から太ももの前が延びていることを意識します
8,腰腸筋を意識して20秒数えて左右入れ替えます
【ポイント!】
●腰腸筋を伸ばすことを意識する
●気持ちよく伸ばすことで過度な刺激は与えない
●体のぐらつきを押さえることで体幹を安定させてバランス感覚を向上させる
走るための筋トレについてはこちらの記事もご覧ください
→マラソンを速く走るための筋トレとは?3つのポイント
まとめ
腸腰筋は太ももを持ち上げる筋肉です。自宅でできる腸腰筋の筋トレとストレッチ方法を紹介しましたが、腸腰筋を意識して骨盤を前傾させることで前に足が出しやすくなります。腸腰筋の筋トレ、ストレッチを行い、軸がぶれないように体幹を鍛えて、骨盤を動かし足を大きく動かすことができればストライドも伸びて走りが良くなります。
基礎体力を養うにもスピードアップを目指すにも大切な腸腰筋です。今年はこの筋肉を意識しながらマラソンを続けていきたいと思っています。
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