お正月によく鏡開きという言葉を聞きますが何のことなのでしょうか。鏡開きについて調べてみてわかったことをお知らせします。
目次
鏡開きとは
鏡餅の鏡開き
鏡開きとはお正月に飾っておいた鏡餅を1月11日に下げて食べる儀式のことをいいます。昔は1月20日におこなって行なっていましたが、江戸時代の3代将軍家光の忌日にあたるため11日に改められました。
正月に備えた鏡餅を砕いてお雑煮やお汁粉に入れてお祝いをします。年神様にお供えしたものを食することでご加護をいただこうとするものです。
鏡割りとも言われますが、「割る」という言葉は忌み言葉であり縁起が良くないため、末広がりを表し新年にふさわしい「開く」という言葉を使い鏡開きとなりました。
鏡餅
丸くて平たい形の昔の鏡のように作られた大小2つの餅を重ねてお正月やお祝い事に神様にお供えするもの。
今ではパックに包まれたまま飾れるようになりましたので、割ったり砕いたりすることは無くなりましたが、昔からの伝統を忘れないように家庭でも鏡開きをするのもいいですね。
酒樽の鏡開き
また、樽酒の蓋を割ってお酒を振舞うことも鏡開きといいます。この場合の鏡は木でできた丸い蓋のことで酒屋では実際に「鏡」と呼んでいるようです。
新たな出発に向けて健康や幸福を祈願するとき、結婚式の披露宴、家屋の上棟式や各種記念日などに行うことが多いようです。
私は釜屋という酒蔵が毎年3月に行う「新春蔵祭り」に何回か参加して来ました。そこで作った4斗樽を会場に運び込んで鏡開きをして集まったお客さんにお酒を振舞ってくれるのです。
200人以上はいると思われますが、小さなコップですが皆さんに行き渡ります。よほどたくさん入っているのでしょう。
酒樽
酒の入った樽のことで1斗樽、2斗樽、4斗樽という大きさがあります。1斗は10升、1升は10合(180ml)なので4斗樽は72,000mlです。1人1合飲むと400人分、2合飲んでも200人分の量があります。
古来より神さまに捧げたものを食べることはご加護を戴き五穀の方策や無病息災を願うものでした。またお米を使った日本酒は神聖なものとされさまざまな神事に使われて来ました。
まとめ
同じ「鏡開き」でも鏡餅と酒樽の2つの違った対象の儀式があったのですね。全く違った催し物ですが、どちらもお米を材料として神様を崇拝することでは共通点がありました。
お正月やお祭り、記念日など生活に深く関わっている昔からの儀式には変わりありません。日本の伝統を次の世代にも受け継いで行きたいと思います。
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